sugar spot




「ラブラブってなんですか」と素直な言葉を亜子さんにそのまま苦い声で聞き返したら、丁度そのタイミングで店員さんが飲み物のオーダーを取りに来てくれた。



「お待たせしました!!ご注文お伺いしま「はあ?

そりゃ夜通しセックスするとかでしょ。
もうシたわよね?」



「!?!?」

「亜子…!!」

伝票片手に爽やかな笑顔だった店員さんが、不自然に動きを止めている。


「あ、ごめんなさい。」

隣で焦ったように問い詰めるちひろさんを華麗にスルーして、美しく微笑みながら店員さんにサラッと謝罪しているけど、多分この人は反省してない。


何故か、私が倒れそうになってきた。



「生ビールのようなもの4つほどお願いします!!」
「か、かしこまってます!!!」

という、なんとも混乱の中でのちひろさんと店員さんの不可思議なオーダーを聴き終えて、再び4人だけの空間ができた時。


私の顔は、誰に聞くまでもなく、もう当然真っ赤だったと思う。




「亜子さん、悪戯が過ぎます。」

「ごめんごめん、可愛い子は虐めたくなるでしょ。」

「亜子は常習犯すぎる。私も何回飲み物吹き出しそうになったか分からない。」


「じゃあ今日はドリンクオーダー前だったからまだマシじゃない?」

「いや、マシじゃない?と言われても。」

クスクスと楽しそうに笑う亜子さんはちひろさんに注意されても、珍しく上機嫌だ。


身体中の熱の逃し方を必死に考えるけど、全然無理そう。穴があったら入りたいというかもう私が掘るから、誰かスコップ用意して欲しい。


ひたすら無言で机に突っ伏しるようにして瞬きを繰り返していると

「花緒。」

と、亜子さんに再び名前を呼ばれる。


次はどんな攻撃が来るのかと若干構えつつ、弱々しく顔を上げたら、想像以上に優しく微笑んだ彼女と視線がぶつかった。

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