sugar spot



「俺から見ると、梨木さんは正直、観察してたい
オモシロ対象なんだけど。」

「……失礼ですね。」

そんな対象、初めて聞いた。全然なりたくなかった。

でも顔を顰めて目を細めても、やはり愉しい笑顔に緩やかに押し返されてしまう。


「ただ、勘違いして引っ掻き回せてるなら好都合かも。後々感謝してほしいよね。」

「……?」

「なんにせよ。梨木さん、
自分に頑なになるところは、間違えちゃダメだよ。」

「…、」



私、この人に、何も言ってない筈なのに。

先輩たちには、
透視能力でも備わっているのだろうか。

それは自ずと、身についていくのだろうか。


頑なにならないで大丈夫だと、
必死に鍵をかけたドアを
優しくノックされている感覚だった。


その音に、するすると言葉が滑る。


「……、頼らないって、」

「え?」

「私には、頼らないって、言ってました、」





『__俺は、あいつには絶対、頼らない』


思い出したら心臓が掴まれたような気持ちになる。
目に映る世界がぼやける。

その言葉が“痛い“のだと、
身体全てが、伝えてきてしまう。

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