ていおん
こうも、こうも呆気が無いものか。
僕の上で踊る姿に汗を流した。
幸せ、なのだろうと汗を流した。
ぬくもりや柔らかさや、
下半身に伝わるひんやりとしたものに汗を流した。
暖色の薄暗い照明に照らされたゆたう髪
赤褐色とも映える姿
普段の白いベールを脱がされた身体
少しギトッとした肌に
汗を流した。
あの心臓に響く音は何も生まない。
あの心臓と同じ音は何も生まない。
アルコール片手に僕を引く様は
やんわりと、ぼんやりと、
じわじわ僕をあたためる。
低音、低温、これはていおん。
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