りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
21時とはいえ週末の映画館は人で賑わっていた。
隣を歩くケーコさんは、普段より気合いが入っているのが分かる。仮のデートなんだと理解していても、少し緊張してしまう自分がいた。
「コウくんの分も、チケット買っといたから」
「え、悪いですよ」
「いーよ、いーよ」
「でも、後で……」
年上とは言え女の人に出して貰うのは気が引けて、"後で払いますね"そう続けようした瞬間。
ケーコさんが俺の二の腕を両手でグイッと引き寄せられる。
「今日は付き合って貰ってるんだから、いーの」
耳元でそう囁かれるものだから、彼女の吐き出す息がくすぐったく感じて、甘い香りが鼻をくすぐった。
「わ、……分かりました」
「はい、よろしい」
慌てて距離を保てば、ケーコさんは満足そうにニッコリと笑顔を向けるから。こっちが拍子抜けしてしまう。