拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「ううん。大丈夫。牧野くん夕ご飯食べてないの?」

「食堂で軽く食った。足りないから何か買ってくる」

じゃあな、と手を振って牧野君が出ていくと、そろそろやるよ、と浦橋くんから声をかけられた。振り向くといつの間にか全員揃っていた。

「土曜日の大学の集まり、牧野も一緒なの?」

「そうなの。元々牧野くんが私に声かけてくれたんだよね」

「牧野とは学生のころからの知り合い?」

「ううん、ここで初めて会ったよ。学部も校舎も違うから」

「へえ。仲いいね」

「そうだね、最初の席が隣だったし、クラスで一番最初に喋ったのが牧野くんだったの」

浦橋くんは、へえー、と言いながら、作業を始めた。

夜のグループワークは何だかんだで進まない・・・。話し合いにならず、つい無駄話になってしまうので、個別にやることを割り振り、時間までにそれぞれ仕上げることにした。作業を始めると、途端に皆無言になり、急に集中し始める。さっきまでくだらない話に花が咲いていたのに、皆切り替えが早くて、私一人がなかなか集中できない。
1時間もかからずに、真田君が終わったらしく、私の作業を横からながめ、手伝うよ、と私のパーツの仕様をフロチャートに起こしてくれた。

今日はそろそろ終わろうか、と言って後片付けをしていると、牧野君が寄ってきて、私の好きなジュースをくれた。

「さっきコンビニ行ったらあったから」

「ありがとう!これ大好き。いいの?」

「もちろん。満里子に買ってきたんだから」

カフェラテにしようか迷ったんだけどさ。と言いながら並んで教室を出る。私がカフェラテも好きなことを知っててくれているのが嬉しくて顔がにやけてしまう。

「明日はグループワークなければいいな。牧野くんたちはどんな感じ?」

「順調だよ。もうすぐ終わる」

「えー、羨ましい。私たちは結構ギリギリかも」

そう言いながら、必ず待っていてくれる牧野くんは本当に優しい。
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