拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
翌日の朝
和美と一緒に教室に向かって歩いていると、すぐ前に牧野くんが歩いていた。

「あ、牧野くんだ」

つい声に出して私が呟くと、横を歩いている和美が、クスっと笑って言った。

「満里子は牧野くんと浦橋くん、どっちがタイプなの?」

タイプ??・・・タイプとか考えたことはないが、牧野くんはずっとサッカーをやっていただけあって、けっこうガッチリしていて背も高い。身体が大きいので一見近寄りがたいが、話してみると、男らしさの中に優し気な雰囲気があってとても好感が持てる。

浦橋くんは色白でシュッとした細身なすスタイリッシュな感じだ。たまにメガネをかけることもあって、理系男子の美形だ。
二人の見た目のタイプは全くといっていいほど違う。

タイプというか・・・ずっと一緒にいたいと思うのは、やっぱり牧野くんだ。

私がまごまごして答えないでいると、和美がクスクス笑いながら私の腕をつついた。

「牧野くんのこと好きなんでしょ?」

「え??なんで?」

ずばり、と言われ焦ってしまい、つい大声を出してしまう。

「見た目のタイプは浦橋くんでも、好きな人は牧野くんだよね?」

私の顔を覗き込むようにして更に聞いてくる。朝からなんて話をしてくるんだと、恥ずかしくて顔が熱くなるのがわかる。

「ははっ。満里子、顔真っ赤!」

おかしそうにクスクス笑い、ごめんごめん、と揶揄ったことを謝ってくる。

正直、好きとか、付き合いたいとか牧野くんとのことを具体的に考えたことはなかった。出会ってまだ3週間だ。
まだ3週間・・・出会ってから日が浅いものの、研修初日から牧野くんと一緒にいる時間は誰よりも長い。二人で話して、一緒に出掛けて、食事して、牧野くんと一緒にいる時間は楽しくてとても大事だ。ずっと一緒にいたいと思う。

そんなことを考えながら歩いていると、和美が少し真顔になり話しかけてきた。

「満里子、深刻そうな顔してるけど大丈夫?牧野くんのこと変な言い方してごめんね」

「ううん。大丈夫。そうじゃないの」

和美が気にした様子だったので、慌てて答える。

「牧野くん、一緒にいて楽しいし、優しいよ。明日の大学の集まりも楽しみ」

「そっか。牧野くんと一緒だもんね。楽しんでね!」

和美はニコっと笑い、来週、また話聞かせてね、とそれぞれの教室に別れた。

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