拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
牧野くんは軽く、じゃ、と私と浦橋くんに手を挙げると、足早に帰ってしまった。
牧野くんに気を遣わせちゃったな・・。一緒にお茶できなくて、残念だったな。

「じゃあ、荷物置いて、着替えたら連絡する。」

浦橋くんに向き直りそう言って歩き出すと、オッケーと言いながら、浦橋くんも並んで歩き出した。

「金曜日だし、新宿まで行かない?」

・・・新宿か・・・。正直疲れているし、面倒だな、と思ったが、この辺りはあまり食べ物屋さんがないのも事実だ。駅前までいくなら電車で3駅の新宿まで行ってしまったほうが安くておいしいお店がたくさんあるの確かだ。

「うん。じゃあ、支度してエントランスで待ち合わせね」

あとでね、と手を振って別れて部屋に戻ると、すぐに支度する。
金曜日の夜は家に帰る人や飲み会の予定がある人など、いつもよりもガヤガヤと賑やかだ。

急ぎ気味で用意してエントランスに行くと、既に浦橋くんが手持ち無沙汰に立っていた。

「遅くなってごめんね」

謝りながら近づくと、ニコっと笑って、全然いいよ、と言って私の半歩前を歩き出した。

浦橋くんは時々私のほうを振り向きながらニコっと笑い歩いて行く。何だかとても機嫌がいい。

「いつも忙しそうだよな」

「そんなことないと思うけど・・・」

「飲み会、あまり来ないじゃん。二次会参加することもほとんどなくない?」

「まあ、ね。だけど女子は大概そんな感じじゃない?」

陽美ちゃんやほかの女性陣も飲み会の最初は顔を出すが、二次会はほとんど行かないと聞いている。飲む量も少ないし、体力だって続かないからみんな適当なところで切り上げているはずだ。
私の場合はほとんど牧野くんと一緒に帰っている。

「今日はゆっくりできるんだろ?」

「まあ。明日ゆっくりだし、ある程度大丈夫だよ」

色々調べたんだー、と言いながら私の手を引きながら歩いていく。ずっと手を掴まれているのが気になるが、すごい人ごみだし振り払うのも悪いのでそのままついていくと、こじんまりとした和風の建物に入っていく。

「ここ、安い割に美味しいんだって。特にお魚が評判いいらしいよ」

「へえ、楽しみ」

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