拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「田中さんはそういうのないんですか?仕事が気になって他のことが手につかない、とか」
「少し前まではあったけど。だけどここ最近はないかな」
「どうしてですか?」
「ん~、慣れ?」
「仕事が終わってから、夜はここで働いて・・・ストレスになりませんか?」
「ならないね。寧ろココは居ごごちが良い。」
「そうなんですね。私も田中さんみたいになりたいな」
「ん?」
「大人で、クールで、強くて、優しい」
思ったことをそのまま言うと、プッと吹き出して、グラスと拭いていた手を止めて、ハハッと笑った。
「俺のことそんな風に思ってるんだ。」
「・・・はい。他にも思ってること、たくさんあります」
「へえぇ。ちなみに他は?」
「視野が広くて、いつも的確で、勘が良くて、いつも冷静なのに、話すと暖かいっていうか、優しいです」
「・・・さすがに照れるな」
本当に少し照れたように言うと、ニヤリと笑いった。
「それに、すごくモテてるし。女性への対応もスマートでいつも完璧です」
一人でここに来るようになって感じたが、頻繁に女性客に声をかけられているのも目撃する。閉店後、お店の前で待ち伏せしていたり、連絡先をしつこく聞いたりしている人も何度か見かけたことがあった。
そんなとき、いつも優し気な声で柔らかくお断りをしている。
直接聞いたことはないが、よほど大事にしている女性がいるのだろう、と想像している。
「満里子ちゃんは俺のことかい被ってるな」
「そんなことないと思いますけど。私は田中さんみたいな大人になりたいです」
「そんなに違わないだろう?いくつだっけ?」
「23です。もうすぐ24になります。」
「そっか。6コ下か・・・結構違うね、いいね」
はは、と笑いながら言う田中さんに子ども扱いされているようで、少し不貞腐れ気味に言う。
「何がいいんですか。全然成長しなくて、自分で自分がうんざりです」
「焦らなくていいよ。そういうところが真面目なんだよ」
ふふっと笑いながら言われるが、真面目なのと成長しないのとはまた違うのに、と、思う。私自身、それほど目標を高く設定していない。最低限ミスなくこなしたいのに、上手くいかないことが多い。
どんよりした気持ちになり、残り少なくなったカクテルを飲んでいると、田中さんが心配そうに言ってきた。
「少し前まではあったけど。だけどここ最近はないかな」
「どうしてですか?」
「ん~、慣れ?」
「仕事が終わってから、夜はここで働いて・・・ストレスになりませんか?」
「ならないね。寧ろココは居ごごちが良い。」
「そうなんですね。私も田中さんみたいになりたいな」
「ん?」
「大人で、クールで、強くて、優しい」
思ったことをそのまま言うと、プッと吹き出して、グラスと拭いていた手を止めて、ハハッと笑った。
「俺のことそんな風に思ってるんだ。」
「・・・はい。他にも思ってること、たくさんあります」
「へえぇ。ちなみに他は?」
「視野が広くて、いつも的確で、勘が良くて、いつも冷静なのに、話すと暖かいっていうか、優しいです」
「・・・さすがに照れるな」
本当に少し照れたように言うと、ニヤリと笑いった。
「それに、すごくモテてるし。女性への対応もスマートでいつも完璧です」
一人でここに来るようになって感じたが、頻繁に女性客に声をかけられているのも目撃する。閉店後、お店の前で待ち伏せしていたり、連絡先をしつこく聞いたりしている人も何度か見かけたことがあった。
そんなとき、いつも優し気な声で柔らかくお断りをしている。
直接聞いたことはないが、よほど大事にしている女性がいるのだろう、と想像している。
「満里子ちゃんは俺のことかい被ってるな」
「そんなことないと思いますけど。私は田中さんみたいな大人になりたいです」
「そんなに違わないだろう?いくつだっけ?」
「23です。もうすぐ24になります。」
「そっか。6コ下か・・・結構違うね、いいね」
はは、と笑いながら言う田中さんに子ども扱いされているようで、少し不貞腐れ気味に言う。
「何がいいんですか。全然成長しなくて、自分で自分がうんざりです」
「焦らなくていいよ。そういうところが真面目なんだよ」
ふふっと笑いながら言われるが、真面目なのと成長しないのとはまた違うのに、と、思う。私自身、それほど目標を高く設定していない。最低限ミスなくこなしたいのに、上手くいかないことが多い。
どんよりした気持ちになり、残り少なくなったカクテルを飲んでいると、田中さんが心配そうに言ってきた。