拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
しかし、須藤さんは梅田さんの手をはずしながら、もう一度私の方へ近づいてきた。

「俺はコイツ送っていくから二次会はパス」

それを聞いた途端、梅田さんの顔が強張り、私の方をキッとにらんだ。

すごい剣幕で睨まれたため、私はどうしたりいいのかわからず、ジリジリと後ずさり中澤くんの方へ後ずさると、ポンと肩を叩かれた。
須藤さんの同期の柴田さんだ。

「俺が送るよ。須藤は2次会行って。俺も後で合流するから」

大丈夫です、と言おうとするのと同時に、横から中澤君も口を挟む

「僕が送りますから」

しかし、柴田さんは強引に、いいから、といって、私の腕を引っ張りズンズンと歩き出してしまう。

ちょっと・・・と抵抗しても止まらないため、仕方なく、中澤くんに手を振り、今日はありがとう、と言うと、中澤君もしぶしぶ、といった感じで笑顔を作り手を振ってくれた。

しばらく行くと、柴田さんが、ふっと笑いながら聞いてきた。

「今日はデートだったの?」

「いえ。最初は3人で飲んでたんです。柴田さんたちは部の飲み会ですか?」

「うん、仕事終わるタイミングがちょうど一緒で。仲間内でね」

もうすぐ駅に着くところで、再びお礼を言う。

「すみませんでした。ここで大丈夫です」

「何言ってんの。家の駅まで送るよ」

そうは言っても、元々良く知らない柴田さんと一緒だと息が詰まる。何を話していいのかわからないし、須藤さんほどではないが、先輩だし、やはり緊張する。

恐縮しすぎて無言になると、柴田さんが、クスっと笑った。

「須藤の言うとおりだな」

どういう意味だろう・・。須藤さんは柴田さんに私のことをどんな風に話しているのか気になるが、聞く勇気もない。

「ところで、今日一緒にいた子は大丈夫なの?」

「はい。同じ部署の木村君の同期の中澤くんです。今日は3人で飲んだんです」

「へえ~。佐多さんのこと送りたそうだったけど、俺が横取りしちゃったね」

だけど、柴田さんが割り込んでくれて良かった。中澤君と須藤さん、それに梅田さんも割り込んできて何だかややこしかった。柴田さんのおかげでその場を解散することができた。

「佐多さんはさ、須藤と仕事してどうだった?」

「勉強になることばかりでした。いつかは追いつきたいと思いましたけど、追いつける気がしません」

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