拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「ふっ。何それ。なりたいの?」

牧野くんが笑いながら少し呆れた様子で言ってきたので、私も少しムキになり言い返す。

「グラス1杯で気分が悪くなるなんてつまらなすぎる。皆に驚かれるし、私だってもう少し飲めるようになりたい」

「まあ、少しは付き合えたほうが周りも気を遣わないんだろうけど、酔って記憶なくすとかはお勧めできないぞ」

「まあ、そうだけど・・・」

「満里子は今のままでいいんだよ」

そう言って、私の頭をポンと撫でて、そろそろ行くか、と席を立った。

牧野くんが観たかったという映画にちょうど空席があったので、チケットを買って席に着く。牧野くんが2枚買ってくれたので、自分の分を払おうとしても受け取ってもらえないので、お手洗いの帰りにせめて飲み物だけでも、と思い、二人分のドリンクを買って席につくと、サンキュと言って私の手を一瞬ギュっと握った。
そのせいで、昨日抱きしめられたことを思い出してしまい、急に心臓がどきどきして落ち着かなくなってしまった。早く暗くなってくれないと顔が赤くなっているのがばれてしまう。

昨日から、ちょっと変だ。牧野くんの態度も昨日はかなり甘かったがお酒のせいだろう。それに動揺してしまっている私は上手く牧野くんとしゃべれてない気がする。
飲み会が始まりまたお酒が入ればいつもの調子に戻るのだろうから、今は少しの我慢だ。

映画館を出ることにはちょうどいい時間になっていて、懇親会の場所に二人でのんびりと向かった。

「この辺りだと思うんだけどなー」

牧野くんが上を見上げながらキョロキョロしているので、お店の看板を探しているのだろう。

「何て名前のお店?」

「えーとね・・・」

スマホを取り出しながらお店の名前を確認していると、後ろから女の人に声かけられた。

「牧野くん?」

「あ、菅原さん?」

「お疲れ様。初めまして」

「ああ、お疲れっす。よかった。お店この辺?」

「うん。思ったよりわかりにくかったね。ごめんね」

「いや、大丈夫。」

「佐多さん?菅原です。よろしくね」

「こんにちは。今日はよろしくお願いします」

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