拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
前回の打ち合わせで、経企部の人に指摘されたところを見返しながら一つずつ確認する。須藤さんからだけではなく、柴田さんやその他の人からの意見も反映されていて、須藤さんばかりに頼っているわけではないように思えるが、今後は誤解されないように気を付けなくては、考えていると、隣の席の木村君が声をかけてきた。

「その箇所、気になります?」

資料を差しながら聞いてきたので、木村君に質問してみる。

「ここって経企部の誰の意見だったか覚えてる?」

「確か、須藤さんだったと思います」

「だよね・・・。柴田さんでもわかるかな?」

「わかるとは思いますけど・・・須藤さんに確認したほうが早くないですか?」

「うん、そうなんだけどね・・・」

「・・・何かあります?」

心配そうに聞いてくる木村君を煩わせるのが申し訳なくて、

「ううん。大丈夫」

ありがとう、とお礼を言って話を切り上げる。

もう少し詰めたら、柴田さんに相談してみよう。メールには須藤さんをCCしておけばいいだろう。


その日から、できるだけ須藤さんを避けた。
リフレッシュルームにある自販機で一緒になれば、少し立話することや、売店まで一緒に足を延ばし、カフェラテを買ってくれることがあったが、できるだけ近寄らないようにすることで、周りに、特に梅田さんに誤解をされないように細心の注意を払った。

いつもは木村君と一緒に社食でお昼をとっているが、その日は時間が合わず、遅めの時間に一人で行くと、お疲れ、と柴田さんに声をかけられた。

「一緒にいい?」

「はい。もちろんです」

柴田さんとしゃべるのも久しぶりだ。経企から遠ざかるようにするようにしてから、柴田さんと話すのも最小限だ。殆どが社内メールで済ませてしまっている。

「最近、忙しいの?打ち合わせ、殆ど木村が出てない?」

「そうですね。役割分担してて、今は木村君メインでやってもらってます」

梅田さんの一件があってから、経企との仕事は木村君にやってもらうことが多くなった。木村君も察してくれていて特に文句をいう訳でもなく、淡々とこなしてくれている。

「何かあった?」

「・・・・・何か、とは?」

「ん~、なんとなく、なんだけど、もしかして避けてる?」

「え?柴田さんをですか?避けてません」

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