拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
それじゃあ、頼んじゃうね、と注文しようと思ったものの、中々店員さんが来ないので、立ち上がって注文に行こうとすると、ツンと腕を引かれ

「動くことないよ。呼べば来るから」

そういって、少し大きめの声で、すみませ~ん、と店員さんを呼んでくれる。
いつもクラスでの懇親会の時は、私が動いて注文を言いに行くのがもはや当たり前になっていて、最近だと、満里ちゃんビール追加、とか私に大声で注文してくる。
菅原さん、優しいな、と思いお礼を言うと、いえいえ、とニコっと笑顔を返してくる。

「仲いいね、牧野くんと」

「そうだね。最初席が隣で」

「守られてるね」

「え?」

「佐多さんの隣から動こうとしない。トイレ行くときまで連れてくし」

一緒にトイレ行ったのみられてたんだ・・・

「守られてる、っていうか、気は使ってくれるよね、いつも」

「付き合ってるの?」

「え?ううん、付き合ってないよ。なんで?」

「ん~、ずっと一緒にいるし、名前呼び捨てだし」

「名前は・・牧野くんだけじゃなくて、クラスでは結構呼び捨てされてるから。」

満里ちゃんや満里子ちゃんと呼ばれることが多いが、浦橋くんもそういえば呼び捨てだ。

「へぇ~、そうなんだ。佐多さん以外もみんな?」

「他の人はちゃん、とかさん、かな。うちのクラスの女子、私以外3人全員院卒なんだよね。」

年上なのもあり、同じクラスの男子たちは私以外はさんを付けて呼んでいたが、だいぶ慣れてきて最近は年上だけどちゃん付で呼んでる人も多い。

「え、そうなの?すごいね。うちのクラスは4人全員学部卒だよ」

「うん。他のクラスの子もそう言ってて・・院卒の女子何人かいるとは聞いてたけど、うちのクラスに集まったみたい」

「そうなんだ。やっぱりクラス分けである程度学部とか配属先とか関係あるのかな」

「そんな気しちゃうよね。私も理系だし。ある程度クラスで寄せてるのかも」

「でも牧野くんは全然理系じゃないよね。サッカーだって体育会でやってたんでしょ?」

「そうみたいだね。牧野くん以外も、もちろん文系の人も何人もいるんだけどね」

牧野くんが男性チームと話ている間、菅原さんがずっと私の横にいてくれたおかげで全く退屈しなかった。
少しすると、牧野くんがグラスを手に私の隣へやってきた。菅原さんとは逆の私の隣にストン、と腰を下ろす。かなり狭いのでギューギューだ。

「そんな狭いとこ入らないでこっちにくれば?」

菅原さんが声かけるけど、いいよここで、と動こうとしない。
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