拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「この前みたいに変に口説いてこないんだったら食事くらいは行ってもいいかな、とは思うけど・・・」

「やめたほうがいいんじゃない?牧野くんに誤解されちゃうよ?」

「え?」

「だって、次回の飲みの連絡を女の人が牧野くんに電話したって聞いて、満里子だってザワザワしたでしょ?」

確かに・・・・別に私は牧野くんの彼女でもないわけだからとやかく口出すことではないと思っているけど、二人でお昼に行ったと聞いてかなりモヤっとした。

「とにかく、研修もうすぐ終わりなんだから、牧野くんとしっかり話したほうがいいよ」

そうだね、と返事をしつつ、牧野くんとは配属先がたとえ異なったとしても、連絡を取り合って会って食事して、そうしているうちに良い関係が気づけていけばいいな、と思っていた。

その日の夜、課題が終わり、牧野くんと一緒に部屋に戻ろうとしたのだが、まだ全然課題が終わらないーーと言っていたので、一人で先に歩いていると、後ろからポン、と肩を叩かれた。振り向くと浦橋くんがニコニコと笑顔で立っていた。

「満里子、歩くの早いな。何度も呼んだんだけど」

「・・・ごめん、全然気付かなかった。」

「俺のこと避けてる?」

「・・・避けてないけど・・・この前みたいなことされても困るから・・・」

私が言いかけると、急に腰を抱き寄せて強引に口づけてくる。

「ちょっ!」

慌てて浦橋くんの胸を押しのけ、後ろに距離をとりながら睨みつけると、困ったように笑い私のほうに手を伸ばし頭を撫でてきたた。

「そんなに嫌だ?」

「付き合ってもないのにこういうことはできない」

「じゃあ、付き合って」

「無理・・・」

「俺は満里子のこと好きだよ」

「・・・浦橋くんっていつもそうなの?」

「そうなの、って?」

「彼女がいるのに他の人にちょっかい出すのが普通なの?」

「いいや。今の彼女と4年付き合ってるけど、他の女の人好きになったのは満里子が初めて」

「・・・・・」

「満里子好き。俺のこと好きになって」

「・・・・・」

「・・・牧野のこと、好きなの?」

「・・・・・・」

「牧野が気になるの?」

「・・・とにかく、もうこういうのやめてほしい。こういうことするなら浦橋くんとはもう二人では会わない」

「・・・じゃあ、キスしなければ二人で会ってくれる?」

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