拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様

「お疲れ様。お昼これから?」

「うん。満里子はもう食べたの?」

「うん。これからもどるところ。」

チラっと前に視線を向けると、須藤さんが振り向て待っててくれている。浦野くんもそれに気づき、じゃあ、またね、と言って食堂に入って行った。
小走りで須藤さんに追いつくと、ニコっと笑って、同期?と聞いてきた。

「そうです。ファシリティ部門にいる同期です」

「へえ、ファシリティか。俺の知り合いも何人かいるけど、同期はいないんだよな」

売店寄って行こうぜ、という須藤さんについて行くと、お昼急がせちゃったお詫び、と言って私がいつも飲んでいるカフェラテを買ってくれた。

私もいつか須藤さんみたいな優しい先輩になりたい、と思いながらお礼を言った。

席に戻ると、浦橋くんからメッセージが来ていた。久しぶりに真田と3人でご飯いかない?とお誘いだった。
この3か月、何度かすれ違うことはあったものの、ゆっくり会う時間もなかった。支店の同期の飲み会はしょっちゅう開催されていて、毎回は行けない顔も出している。それに上階にある広報部には同期の和美がいて、時間が合えばご飯にも何度か行っていた。
だけど、新入社員研修で一緒だった浦橋くんや真田くんもそうだが、牧野くんともほとんど会えていなかった。

浦橋くんにOKの返信をして、定時で仕事を切り上げるように午後の仕事に取り組んだ。

定時を10分ほど過ぎたところで、今から出るね、と浦橋くんにメッセージを送ると、しばらくしてからお店の場所が送られてきた。既にお店について待っていてくれているらしい。
送られてきた場所に着くと、こじんまりとした洋風居酒屋でお店の中に入ると、奥の半個室のようなところから浦橋くんが出てきた。

「早かったな」

「浦橋くんこそ。お店ありがとね。真田君は?」

もう飲み始めてる、と、苦笑いしながら浦野君が言い、真田君が待つ個室へ向かうと、浦橋くんが苦笑いした理由がわかった。真田くんはもうだいぶ出来上がってる・・・。
適当に頼んでおいたから、と言うので飲み物だけ頼んで席に、落ち着く。
久しぶりに会う浦野君はまたちょっと大人びた気がする。真田君はよくわからないが、飲み会ではいつも酔っぱらっていた記憶がある。研修が終わった後の飲み会で会った時も思ったが、またその時よりも更に落ち着いた感じがする。

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