拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
牧野くんのことは、変わらず好きだ。
だけど、もう無理なのかな、とほぼ諦めているのも事実だ。

会いたいと思うし、私のことを好きになってほしい、とも、正直まだ思う。
しかし、実際会うこともなく、連絡さえ途絶えがちで、試合観に来いよ、という言葉に縋っていたのだが、それすらも叶わないのは・・牧野くんの中の私はそれほど大きくないということなのだろう。

でも・・・
こうやって牧野くんのことを思い出すと、焦がれるような気持ちになるのが正直な気持ちだ。
完全に忘れるまでにはまだ時間がかかるのだろう。

翌朝の出勤途中
会社の入り口で和美とばったり会った。こうして偶然会うのは珍しい。日ごろ和美は結構早くに出社しているらしく、定時15分前に到着する私と会うことはほとんどない。

「和美おはよう。この時間に会うの、珍しいね」

「おはよ。うん、ちょっと出かけに手間取っちゃって。今日お昼行かない?」

「うん。行こう。・・・どうした?何かあった?」

和美と会うのは夜が多く、お昼一緒に行くことはほとんどない。私は比較的時間の調整がしやすいが、和美は何かんだと切れ目が悪いらしく、お昼休憩の時間はかなり流動的だ。

「最近お昼の時間ちゃんと取れるんだ。昼に話すよ」

和美のことが気になりながらも、午前中の仕事を急いでこなし、12時ちょうどには席を離れて和美との待ち合わせのお店に向かう。既に席についていた和美が手招きをしていた。

私の分のパスタまで注文を済ませておいてくれていて、早速気になっていたことを聞く。

「珍しいね、和美がお昼誘ってくれるのなんて」

「だって、満里子とは夜時間がほとんど合わないじゃない」

和美も残業が続くときがあるのだが、1か月の中の下旬が多く、私のように週の半分は予定が立たないという状況だと約束するのも申し訳ないので中々約束できない。先週は週の半分が終電近くまで残業続きだったが、今週はほぼ定時退社だ。

「今週は早いから、明日うゆっくり夜ご飯食べにいこうよ。」

「うん。そうしよ。
実はね・・・彼氏と別れたんだ」

「え?・・・・すごく仲良さそうだったのに。どうしたの?・・・って聞いてもいいのかな」

「うん・・・。あのね、実は好きな人ができちゃって」

「好きな人・・・和美に?」

「うん・・そうなんだ。自覚したのは最近なんだけど」

< 65 / 250 >

この作品をシェア

pagetop