拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「その分満里子と一緒にいられるから」

久しぶりに甘い言葉をかけられて固まる私に気づき、触っていた髪の毛から手を放し、少し距離を取りながら言った。

「今度の同期会、一緒に行こうよ」

「いいけど・・・真田君は?一緒に行くんじゃないの?」

「アイツ、都合が悪くて行けないんだって。」

「そうなんだ。手伝いする約束してるし、定時で上がって速攻行こうと思ってるけど大丈夫?」

「うん。俺も定時で上がるから一緒に行こう」

「仕事大丈夫?」

「大丈夫。早めに終わらせる」

じゃあ、またね、と言って電車に乗って引き返す浦橋くんに、また送らせちゃったな、と反省しながら見送っていると、携帯に着信があった。
見ると、浦橋くんからで『早く寝ろよ』とおやすみのスタンプがきていた。

部屋に戻り、お風呂から出るとその日はそのまま寝てしまい、翌朝牧野くんから着信があったことに気づいた。
ちょうどお風呂に入っている時間帯だ。

折り返すにしてもこんな朝っぱらから迷惑だろうと思い、メールを返すと、すぐに返事が来て、同期会行くかどうかの確認だった。
行く予定だと返信する。

牧野くんと会える。ジワリジワリと実感がわいてきて、しばらく会えなかったし思い出す時間も少なくなったけど、会えると思うと自然と浮き立つ感じがする。

元気にしているだろうか。ゆっくり話ができるだろうか。同期会の日までそんなことばかり考えていた。

同期会の日
定時ちょうどには浦橋くんからエントランスで待っているとメールが入っていた。

エレベータを降りて浦橋くんを見つけて駆け寄りながら、「お待たせ」というと

「そんなに急がなくてもいいのに。・・・同期会、楽しみ?」

浦橋くんが首をかしげて私の顔を覗き込みながら聞いてきた。

「楽しみ・・・っていうか、浦橋くんを待たせちゃってるし・・・」

「そっか。じゃあ、行こうか」

電車で3駅ほどいったところのお店につくと、大内君がすでに来ていた。他にも既に数人来ていて、ガヤガヤと話し始めている。
いつものことだけど、幹事なんて名ばかりですぐにでも飲み始めてしまいそうな勢いだ。

「満里子」

浦野君に奥の席から手招きされて近づいていくと、座れ、と横に引っ張られる。

「私は入り口のところにいるから」

慌てて立ち上がると、少し怒ったような顔をして浦橋くんが立ちあがった。

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