拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「俺が行くから良いよ。たまにはゆっくり座っとっけって」

そう言うと一緒に入り口の方へ行ってしまった。

ほどなくして陽美ちゃんやほかのメンバも続々とやってきて、あっという間に席が埋まっていく。
陽美ちゃんと近況を話しながらだいぶお腹もいっぱいになってきた。

「牧野くんとはどうなの?」

「全然連絡取ってなくて。だけど今日来るって言ってたんだけど、まだ来てないみたい」

「へえ、来るんだ。そりゃ楽しみだね」

楽しみだけど・・・話す機会があるかどうかもわからない。
他の同期たちとも話したいだろうし、既に1時間以上経過していし、もしかしたら今日は来られなくなったのかもしれない。

皆だいぶ酔っぱらってきたので、浦橋くんに声をかけると、案の定大変そうだ。
変わるよ、と言ってみんなの注文を聞きながら、空いたグラスやお皿を片付ける。

時間を見ながらそろそろラストオーダーかな、と思っていると後ろからポンと頭を撫でられた。

「久しぶり」

「・・・牧野くん、元気?」

「おう。まだ時間大丈夫?」

「あとちょっと。ちょうどラストオーダー聞こうと思っていたところ。ビールでいい?」

うん、と牧野くんが頷いたところで、奥から、あ、牧野きた!と声がかかり、奥の席に座り込んだ。

全員分の飲み物の注文を店員さんに伝え終わると、今のうちにトイレ、と思い席を外す。
すると陽美ちゃんも、私も行く、と言ってついてきた。

「牧野くん来たね。話した?」

「まったく。すぐ奥に行っちゃったし」

「満里ちゃんはもう牧野くん好きじゃないの?」

「・・・今日会えるのは楽しみにしてたよ。だけど・・・もう何か月も連絡取ってないし、もう無理なのかなって」

「満里ちゃんからは連絡してたの?」

「ううん、してない」

「何でよ」

「最後に会ったとき、試合観に来いよ、って。連絡するからって言われて。
連絡がないってことは、試合に出れないってことからなって思って。もしかしたらなかなか試合に出られくて苦しんでるのかもしれない、って思ったら、無邪気にこっちから連絡するのも悪いなって思ってたら・・・気づいたらすごい時間がたっちゃって」

「そっか。スポーツ選手だもんね。難しいね。」

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