拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
浦橋くんからも何度か着信があった。でも、牧野くんからの着信はなかった。
二人にお詫びのメッセージを送ると、そろそろ行こうか、と陽美ちゃんとカフェを出る。
「2次会、ごめんね。私のせいで行けなかったよね」
「ううん、いいの。今日はこの後彼氏の家に行く約束してたから」
「へえ、彼氏?」
「うん、8歳年上なんだけどね。友達の紹介で」
いいな、と笑って言うと、また頭をいい子いい子と撫でながら言った。
「満里ちゃん、大丈夫?」
「うん、今日はありがとう」
陽美ちゃんが一緒にいてくれて助かった。ショックで押しつぶされそうだったが、陽美ちゃんが迎えに来てくれて、何とか帰ることができそうだ。
陽美ちゃんは私をギュっと抱きしめると、またね。と言ってタクシーに乗って行った。
一人になった私はブラブラと駅に向かって歩く。
まだ20時半を過ぎたところで、街は賑わっている。疲れた。直ぐに横になりたいから帰りたい、とは思うものの、帰りたくなくブラブラとゆっくり歩く。
携帯を見ると、また浦橋くんから着信があったので、陽美ちゃんとお茶してた、もう帰るね、と送っておいた。
駅までの道を遠回りしながら歩いていると、前に牧野くんと一緒に行ったゲームセンタがあった。
二人でなんのゲームやったっけな、とふらりと入ってみる。
クレーンゲームやって、確か小さいマスコットを取ってくれた。まったくやり方がわからずに、あっという間に終わってしまった私に対して、ちゃんと狙いを定めて1回で取ってくれた。
他のゲームも私ができそうなものばかり選んでくれて、牧野くんだけやったコインゲームも横で見ていてとても楽しかった。
牧野くんに彼女ができたということは、もう二人でここに来たり、一緒に出掛けたり、試合を見に行くこともできない、ということだ。
もしかしたら、連絡もとらなくなるだろう。
だったら、せめて今日はもう少し話をしたかった。元気でいる姿を見たかった。
いや、万が一彼女の話でも聞かされたりしたらますます立ち直れなくなるので、話さなくてよかったのか・・・。
グチャグチャと考えながらゲームセンターの中を歩き回っていると、トントン、と後ろから肩を叩かれた。振り向くと知らない男の人が立っていた。