拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
お店も静かで、広すぎず、とても気に入った。

特に注文したわけではないのに、アルコール度の低い、飲みやすいカクテルだ。
和美が事前に私の好きそうな味を伝えておいてくれたらしい。

ただ、和美は普段ビールや発泡酒のイメージが強いため、甘いカクテルを飲んでいるのは意外な気がした。
それを伝えると、たまにはね、でも次はビール飲む、という宣言どおり、次から次にグラスを開けていた。

「で?同期会はどうだったの?牧野くんとは話できた?」

「・・・それが・・・」

牧野くんに彼女ができたこと、ほとんどしゃべれなかったこと、など、同期会での出来事を和美に話した。

「それは・・・つらいね。満里子大丈夫?」

「うん」

「諦めるの?」

「・・・そうだね・・・もう仕方ないね」

「告白しないんだ」

「・・・今まで連絡取ってなかったし、急に会おうって言っても会えないと思うの。だからってメールで告白しても、既読無視されたら立ち直れないし」

「好きなんでしょ?」

「・・・。研修の時、一緒に過ごしているときは本当に好きだったよ。研修終わってもマメに連絡取り合って、たまに会う牧野くんは一緒にいて楽しいし優しいし、大好きだった。だけど・・・もう連絡くれなくなって何か月もたつし、会ってない時間のほうが長いくらいだもの」

「そっか。つらいね。」

今日はとことん付き合うよ、と頭を撫でられ、和美の優しさに涙が落ちそうになる。


飯ちゃんとはどうなったのだろう、と思い聞いてみると、「相変わらず、微妙」なんだそう。
だけど週1回以上は必ずあっているようだし、連絡は毎日のようだ。
それはもう付き合っているのと一緒なのではないか、と思うのだが、それを言うと、和美は呆れように言った。

「満里子と牧野くんだってそうだったじゃない」

「・・・だけど、結局そうじゃなかったから。牧野くんは私のことは別に好きじゃなかったんだよ」

昨日から繰り返し思っていることがまた口に付いて出る。

「地味で、恋愛経験がなさそうな私のことを構うのが楽しかったんじゃない?」

「・・・牧野くんはそういうタイプじゃないと思うよ」

浦橋くんじゃあるまいし・・・と呟くように言うのが聞こえたので、思わずぷっと吹き出してしまう。

「確かに浦橋くんはひどかったね」

研修のときは完璧に私のことを揶揄っていた。
< 82 / 250 >

この作品をシェア

pagetop