拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
あの時、私は浦橋くんに言い寄られても断り続けていた。もう過去のこととして、今は浦橋くんと同期として仲良くしているつもりだったのに、
何故蒸し返して、『遊びだった』などとわざわざ言うのだろう。

「・・・大丈夫。私、大学の頃から結構揶揄われることが多くて。慣れてるから」

「揶揄われるって・・・」

「好きな人から好きって言われたらやっぱり嬉しいし本気になるじゃん。だけど向こうはちょっとした気まぐれっていうか・・・今迄そういうのばっかりだったから」

「・・・・・・」

「だから気にしないで。それに、浦橋くんとは結局何もなかったんだし」

「満里子・・俺ね、」

「これ、結構ボリュームあるね。想像以上だわ」

もうこれ以上この話をしたくなくて、無理やり話を切り上げる。
まだ何か言いたそうにしている浦橋くんを無視して、無理やりパンケーキをお腹に詰め込む。
せっかく美味しいパンケーキなのに・・・。涙の味しかしない。

もったいないけど・・・ギブアップかな、とフォークとナイフを置くと、浦橋くんが、もらっていい?と自分のお皿と交換して、ペロリと平らげた。やっぱり浦橋くんはよく食べる。

結局気まずいままお店を出て、帰るために電車に乗る。
無言のまま、乗り換え駅で、じゃあ、またね、と手を振るが、送るよ、と言いながら私の後をついてくる。

最寄りの駅に着くと、またね、と言って背を向けた。
最後、気まずくなってしまったが、一緒に買い物して、映画見て、パンケーキ並んで・・・楽しかった。ちゃんとお礼を言わなきゃ、と思うのだが気持ちがついていかない。

1歩踏み出したところ、浦橋くんに腕を掴まれて正面に向かいあう。両手首を掴まれて顔を下から覗き込まれて目を合わせる。

「満里子・・・何か誤解してるみたいだから、ちゃんと話たいんだ」

「・・・・・誤解?」

「うん」

「恋人がいたのに私にちょっかい出したんだよね」

「・・・」

「・・・・揶揄ってただけなんだよね?」

「・・・あの時は、満里子が、うんって言ってくれたらラッキー、とは、思った。ダメもとだったけど、揶揄ったわけじゃない」

本気ではなかった、ってことは、よくわかった。
だけど、これ以上話をして、傷を増やすこともないだろう、と思い、掴まれている手首を手前に引き、浦橋くんから離れる。

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