僕等はきっと、満たされない。
晴を置いて
実家に戻った
彼女の大学卒業と同時に
オレたちは籍を入れた
弟はそれでよかったのか?
オレは彼女を愛することができるのか?
愛してなくても
跡取りを残さなければならない
それがオレで
オレの子供は
オレと同じ思いをしなければならない
結局、父親と同じ事をしようとしてる
「雅さん、お着替え置いときますね」
「おおきに…
オレと一緒で、幸せどすか?」
「幸せにしとぉくれやす」
彼女は寂しそうに微笑んだ
彼女の笑顔にまだ慣れない
幸せにできる自信もない
彼女の視線の先には
いつも弟がいた
きっと愛してる
きっと弟も…
着たくもない和服を着て
笑いたくもないのに作る笑顔
食べる物は砂を噛んでるみたいだった
晴に逢いたい
晴のいない世界
もともとオレがいた世界なのに
自分だけがここにいないみたいで
興味のない映画を観てるみたいだった
京都から離れて
晴と過ごした時間だけが
オレの人生だった
晴…
晴は笑ってる?
晴れた夏の日みたいな
晴の笑顔に逢いたくなった