僕等はきっと、満たされない。

とりあえず

宙くんとバルを出た



「オレのアパートにする?
適当にコンビニで何か買って」



「あ、うん…
あの人たち、うるさくてごめんね
宙くん、気にしないでね」



「うん…
オレが言ったことも気にしないで…」



オレの勝手な片思いなんで…



きっと宙くんは

私を助けるために嘘をついてくれた



アパートの近くのコンビニに寄った



「晴さん、なんかデザート食べる?
オレ、甘いの食べないから
何がいいか、わかんない」



「あ、うん…じゃあアイスにする」



お酒と食べ物

デザートと

それから…



ずっと宙くんと

身体の繋がりはなかった



今日も宙くんは

その売り場をスルーした



宙くんが

私の部屋の引き出しの箱を捨ててから

私はもちろん誰ともそーゆーことはない



宙くんは?



「晴さん、他に何かいる?」



レジから宙くんが言った



「んーん…大丈夫」



他にそーゆー人

いないの?


< 93 / 173 >

この作品をシェア

pagetop