愛してしまったので離婚してください
ここから出る時、病院に向かうときには正直不安だった。
幸せな未来が見えないくらい、緊張していた。

信じようとしても、明るい未来を想像もできていなかった。

「ちゃんとここにいる。」
雅が耳元でささやく。
雅も私と同じように、実感しているのだろう。

「これ・・・いつから準備して・・・」
「内緒だ。こういうの人生で初めてやった。どう?」
「最高」
私は体の向きを変えて雅の方を見た。

「おかえり」
「ただいま」
強く強く抱きしめあいながら、私たちは生きていること、そして大きな試練を乗り越えたことを実感しながら喜びを分かち合った。
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