キャラメル頭の君と、1ヶ月の同居ラブ。
「綾音」            
                 
                 
彼女の名前を呼ぶ。        
               
           
綾音は、目尻に涙を溜めて眠っていた。 
                 
                 
涙を親指で拭い、綾音の前髪をあげる。  
                  
                   
まだ、未練があるんだ。       
                 
              
「好きだよ。ずっと好きだった。だから」 
                  
       
綾音も早く俺を好きになって。   
  
                 
そう言って、俺は毎晩の挨拶をして、持ってきた本を綾音の机に置いてから部屋を出た。 
                   
                   
あれは、昔は新婚ごっこのつもりで、今はちょっとしたまじないのつもりでやっている。  
                   
                 
早く俺を好きになって、あわよくば昔の事も思い出してくれますように……

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