幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「美羽」

「……なに」



唯斗くんを無理矢理引きはがしながら返事をする私。

ようやく離れてくれた、と思って唯斗くんに目を向ける。

唯斗くんはバスケットゴールの近くに転がっているボールに視線を向けていた。


……あ。

やばいかも。



「美羽」



唯斗くんの声が低くなる。


やばい、やばい!

勝手にボール借りたこと、怒られる!


案の定。



「あれ、俺のボールだよな?」

「……はい」

「誰が使って良いって許可出した?」

「……出されていません」

「どこから持って行ったんだ」



……玄関に唯斗くんのバスケットボールがひとつ置いてあったのを見つけたので、なんて言えない!

そんなこと言ったら、南條くんに誤解されてしまう!
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