幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「言わねぇとキスするぞ?」

「じゃあ僕は食べちゃおうかな」

「言うっ! 言うから!」



キスも食べられるも無理!

そんなことされたら、ドキドキして自分がおかしくなっちゃいそうだもん。


それに。

ときどき春馬くんの口から出る『食べちゃうよ』発言ってどういう意味?

分からないけど、私を食べてもおいしくないだろうから拒否しておく。



「で、どうなの? 美羽ちゃんの大切な人って誰?」

「……わ、」

「わ?」

「私の大切な人は……。幼なじみで双子のアイドル、だよ」



頑張った。

これが限界だった。

恥ずかしさをこらえて出した言葉。


ちゃんと答えたはずなのに。

唯斗くんと春馬くんは私の頬にキスをした。
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