幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
もしかして、私の表情とかに出ていたのかな?

それなら心の中で謝っておこう。

プレイボーイみたいに思ってしまってごめんなさい。



「手を繋ぎたいのは美羽ちゃんだけだから」



思わず左隣に立っている春馬くんを見上げる。

いつも穏やかで、ときどき黒いオーラを出す春馬くんが、頬を染めていた。


……春馬くんもこんな表情をするんだ、と少し驚く私。

ギャップ……というか。

……うん。

春馬くんのギャップに私まで頬を染めるところだった。


それは事実、私の感情がそうなってしまったのだから認めるしかない。

それでも、気恥ずかしさは伝染してしまうもので。

春馬くんがさり気なく赤い顔を隠すから、私も目を伏せる。

道路の白線を見つめていよう。

そしたら、余計なことを考えずにすむ。

白線の上をまっすぐに歩くことだけに集中しよう。


と、思ったのに。
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