幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
学校。

お昼休み。

今日は珍しく、水樹兄弟が私たちへのクラスへ遊びに来ない。

いつもは用事もないのに遊びに来るからなぁ。


……平和だ。

静かなお昼休み。

もう一度言う。

平和だ。


私は琴音ちゃんと教室でお昼ご飯を食べている。



「美羽。あんた、引っ越したって本当なの?」

「えっ⁉」

「引っ越したなら報告してよねっ」



琴音ちゃんが箸を握りしめながら、私に詰め寄る。


えーと。

なぜ、琴音ちゃんは私が引っ越したことを知っているんでしょうか。

私、誰にも話していないのにな。



「……昨日、美羽のアパートに遊びに行ったら、大家さんに美羽は引っ越した、って聞いたから」



そういうことか。

大家さんが話したのね。

っていうか、琴音ちゃん、遊びに来てくれていたんだ。

嬉しい反面、申し訳ないことをしたな。
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