幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「ごめん。急な引っ越しだったからさ」

「で? どこに引っ越したの?」

「と、隣町……?」



うん。

嘘はついていない。

隣町に引っ越したのは確かだけど、琴音ちゃんが疑うような視線で私を見ている。


……全部話せなくてごめん。

だけど、これも秘密事項だから……。



「まあ、いいわ。それより、体育祭もいよいよだね」

「うんっ! 今年は気合入れていくぞーっ」

「南條がいるから?」

「えっ! そ、そそんなわけないじゃん⁉」

「いや、あんた、分かりやすいからね」



うう。

そんなに私って分かりやすいのかな。


南條くんへの密かな恋!

……の、はずなんだけどなぁ。
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