隣の住人。




いつもの時間より帰ってくるのが遅くて、不安に陥っていた。




些細なズレが今は全てにおいて不安で…

1番会いたかったけど、今日の出来事を1番話したくない人。






『おかえり』

「起きてた?起こした?」

『起きてたよ』






ソファーにいた私の顔を覗き込む謙人を抱きしめた。




抱きしめてるうちに、何だか悲しくなってきて泣いた。

考える間にもなく、涙が溢れてきて止まらなかった。





怖い。

怖くてたまらなかった。




私、この人を失ったら生きていけないかもしれない。





「珍しいね〜どうした」

と、落ち着くまで背中をさすって抱きしめてくれた。







「会いたかった?」

『うん』

「なんかあった?話しくない?」




この謙人の優しさが胸に突き刺さる。




『付き合ってって言われて断ったらキスされそうになって、腕も引っ張られて…』

「怖かったな」

『謙人が…離れていきそうで…怖かった…の』

「なんで?ひな、悪いことしたの?」

『…してないよ』

「浮気されるなら、まだ浜の方がいいわ」

『ひなは謙人がいい』

「優しいし、かっこいいし、ひなファーストだし…」

『完璧じゃん』

「完璧すぎ」と、笑うから私もつい釣られて笑った。






< 375 / 422 >

この作品をシェア

pagetop