ネトゲ女子は社長の求愛を拒む《宮ノ入シリーズ②》
「早いわよ」

ちゃんと仕事してきたのかな……。

「そーですかぁ。先輩、秘書室に案内してくださいよー」

「今、秘書室から出てきたばかりなのにまた戻るの!?」

「久しぶりに八木沢さんを見たいんですー」

はあ?
社長は珍獣かなにかなの?

「社長は仕事中だから、無理じゃないかな」

「先輩のケチー」

「木村さん。会わせてあげたら、いいじゃないですか」

「社長を独り占めですか」

受付の二人組が口を挟んだ。
怒ると、こういうとき、面倒になるんだよね。 

「独り占めはしていません。社長と話したかったら、私を通さずに受付から連絡をしてもらったらどう?」

「こわーい」

「叱られちゃったー」

うわ。なんなの。
叱ってないと思うんだけど。

「先輩。怒らないで!冗談ですって。行きましょ!」

若菜ちゃんは腕を絡ませ、ぐいぐいと強引に私を引っ張った。
なんて強引な……。
いや、この強引さがあるからこそ、人気なのか。
< 33 / 135 >

この作品をシェア

pagetop