confused me

-Day 5-

目が覚めた。もう夕日が差していて、いつもなら彼が来る時間。

でも、来ない。

...今日は学校、長引いているんだろうか。

眠たさに目をこすって、枕に顔を沈める。


「......優里、もう起きてたのか」


「あ...おかえりなさい、律さん」


「待たせてごめんね、ちょっと...学校でやらなきゃいけないことがあって」


おいで、そう言って彼は私を抱きしめる。
今日の匂いは、一段と変だ。

...くさい。

女物の強い香水の匂いだ。


「やらなきゃいけないことって、なんだったんですか」


「まぁちょっと、ね。先生の手伝いをやらされてて」


「...それは私よりも、重要でしたか」


先生の手伝いごときで、胸のところにまで、匂いが移るのだろうか。
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