confused me

-Day 10-

「おい、おきろ」


律さんとは違う低い声で、私は起きた。
眠い感覚にいつも通り目をこすって、寝返りを打って、また目をつむる。


「起きろと言っているだろう」


布団を剥ぎ取られ、ようやく声をかけてきた人物を見る。

寝起きでまだ目がぼんやりとしている。

でも、律さんでは無いことは一目瞭然。


律さんは黒髪マッシュだが、彼は金髪。...それにマッシュではなく、おそらくツーブロックだ。

背丈も律さんより大きい。

そして、律さんの白い肌とは違って、彼は健康そうな小麦色の肌だ。

パンの耳みたいな...そんな色。


「やっと起きたか」


「......誰ですか」


「...リツの同僚のアキだ」


彼が私の足枷を外す。
外に行くのだろうか。


「リツはしばらく帰ってこれないことになった」


「......そうですか」


「反応が薄いな」


「...職業も職業でしょう?」


“しばらく”。
その部分に、生きてはいるんだなぁと考える。

寝起きでまだ頭が回らないというのが、本音である。
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