魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<ダリウスの部屋の前・>

<ああ、もう!!!
なぜ・・部屋にはいらないのか!!!!!>

もう少しなのに、
なんで目の前で<こんなの>を見せつけられるのか・・・

普段はあまり、感情の起伏を見せないようにしているリセだが・・・
さすがに疲れもでていたのだろう・・・

二人を自分の視界に入らないように、
少しだけ体の向きを変えた時だった。

ヒュン・・・ツ、ドッ

ナイフがリセの頬の脇ギリギリで通り過ぎて、廊下の壁に刺さった。

リセは息を呑み・・凍りついた。

ダリウスはリセを睨み(にらみ)付けていた。
「俺を見ろ!」
ダリウスが命令した。

その瞳は、金色の中に炎が燃え上がるような(きら)めき。

ダリウスは女性から離れて、
リセのすぐ脇に刺さっているナイフを壁から引き抜いた。

「仕事をさぼるな!!」
そう言い放つと、ダリウスは部屋に入り、女性もその後に続いた。

バタン・・・
ドアが閉まった。
リセは壁に背をつけたまま、
ずるずると崩れ落ちた。
これはダリウス流、
通過儀礼・・もしくは試験なのだ

合格なのか不合格なのか・・
明日、結果発表されるのだろう。

リセはようやく立ち上がり、
警護担当者へ引継ぎの連絡をした。

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