魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<リセの宿泊所・その3>

とにかくすべて終わったのだ。

バスターミナルに行って、
最終の長距離夜行バスに乗ろう。

行き先は、
最初に来たバスで決める。

バスの中で眠って、
朝、到着した街でホテルを探せばいい。

その先は・・また眠り・・
起きたら考えよう。

通用口の扉を開けると、
外は気持ちの良い夜風が吹いている。
リセのスカートをふわりと揺らした。
「お疲れさまでした。お休みなさい」
リセは初老の警備員に、入館証を渡し、通りに出た。

もう、深夜なので人通りはない。
車だけが時折通り過ぎるだけだ。

さて、
バスターミナルはどっちかな
リセが立ち止まった時だった。

「リセ・・か?」

街灯の、ぼんやりとした明かりの下で、
フード付きのパーカーを着た、
長身の男が立っていた。

夜なのに、
サングラスをかけている。
ダリウス様・・!

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