魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<通り・出会い・その1>

リセはすぐにわかった。
「はい・・?」

「そんな、かわいい恰好をしているとは・・
わからないはずだ・・」

ダリウスは
いつもの皮肉っぽい調子だったが、
次の言葉は違った。

「俺も・・心配した・・」
ダリウスはつぶやくように言った。

「お薬をもらって、少し休めたので・・大丈夫です。
ご心配をおかけして申し訳ありません」
リセは動揺を見せないように、
慎重に答えた。

「渡したいものがある。」
ダリウスがそう言うと、
リセのそばまでゆっくり歩いてきた。

「手を出せ」
ダリウスの命令口調に、
リセはトランクを道路に置いて、
手を出した。

ダリウスは
リセの手に、大き目の鍵を落とすように置いた。

「アラステアの山荘の鍵だ。
マスターキーだからすべて開けられる」

リセは驚いて
ダリウスの顔を見た。

アラステアの山荘
この人の聖域・・誰も入れないはず・・

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