魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<通り・出会い・その2>

サングラスで彼の視線はわからない。
しかしリセは理解した。

ダリウスは
本当の事を言うときは・・・
隠すのだ。
「なぜ・・ですか」

「仕事やめて、いく場所がないのだろう。だから・・」

リセは手の平に置かれた鍵を見つめた。

「山荘で何を・・・
仕事は、私はもう無理なので・・」

ダリウスも鍵を見つめている・・

でもサングラスでわからないが
たぶんそうだろう。
二人は黙って向き合っていた。

ようやくダリウスが口を開いた。

「別に、ただいてくれればいい。
俺が帰った時に、
お前がいると安心できる・・
そう思った」

ダリウスの声は、いつもと違う

自信なさげにリセには聞こえた。

「この鍵は・・ある意味・・
指輪のようなものだ」

鍵を握りしめるリセの両手を、
ダリウスの手が包み込んだ。

ダリウスは・・・
運命か宿命かわからないが、

とにかく二人の糸を引っ張って、
たぐりよせたのだ。

それに対して・・
何をどう答えればいいのだろう。

リセから出た言葉は・・・

「ダリウス様・・
私はこれから10日ほど、寝込んでしまいます。
それからでもいいですか」



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