魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<通り・出会い・その3>

そうなのだ。

もう・・魔女ホルモンの低下・・
体力も思考も、限界にきている。

ダリウスは少し考えていた。
「寝込む場所は・・アラステアの山荘でいいか」

リセは小さくうなずいた。

最初のバスではなく、最初に出会った人でいい・・

ダリウスは
道路にあったトランクを持つと、
そばに停車してあった車の後部座席に放り投げた。

そして、助手席のドアを開けてくれた。
「早く乗れ、立っているのはつらいだろう」

リセはあくびをかみ殺して
乗り込み、シートベルトをしめた。

もう、体が重い・・
目を開けているのもしんどい。

「おまえ、
結構かわいいんだな・・」
目を閉じていると、
ダリウスの声が横で聞こえた。

今まで<かわいい>なんて言われた事ない・・・
リセはぼんやりと思った。

もう、ひとりぼっちではない 
そんな思いも浮かんだ。

ダリウスも同じように思っているのだろう。

そうなのだ・・
私たちは、似たもの同士なのだ。

欠けた破片が合わさるように・・
これは理屈ではなく・・
きっと・・

ダリウスは、
サングラスをとらないから・・・
本心なのだろう。

が・・目が覚めたら・・

リセは深い眠りに落ちていった。


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