エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
どうしても産みたくて、中絶を求められるのが怖かったこと。

婚約解消で傷心だった布施に、さらなる心労を与えたくなかったこと。

あの夜を悔いていることも話した。

布施を慰めたいという気持ちより、恋心が勝って誘ってしまった後悔だ。

落ち度のない布施に、妊娠の責任を求められるわけがない。

ポツポツと話しながら、瑞希の胸には改めて申し訳なさが膨らんでいた。

「布施さんに迷惑をかけたくないんです。認知をすれば布施さんの今後の恋愛や結婚に支障がでるかもしれません。婚外子の存在は出世にも響くかも。だから知らせませんでした。本当に申し訳ありません」

テーブルに額がつきそうなほどに頭を下げて謝罪した。

それから泣きそうな気持ちをこらえて顔を上げると、布施と視線を交える。

布施は眉間に皺を刻み、口を閉ざしている。

(怒らせて当然よね)

瑞希は胸に痛みを覚えつつ、お願いする。

「海翔のことは心配いりません。両親が子育てを手伝ってくれますし、経済的にも困窮していませんので。ですから海翔のことは知らなかったことにしてください。どうか……」

ひとり親でも平気だと伝えたくて、微笑んでみた。
< 118 / 224 >

この作品をシェア

pagetop