エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
 その姿は見慣れていたが、親子ツーショットは新鮮に目に映る。

 布施が空いている方の手で瑞希の手を握るから、鼓動が跳ねた。


「急に来て悪かった。こうでもしないと、いつまでも会えない気がして。ご両親にもきちんと挨拶しておきたかったんだ」

「あの、避けていたわけではないんですよ。本当に都合がつかなくて」

「それならいいが……。待てなくてすまない」


 自嘲気味に微笑む布施の頬は赤い。

 近くで見ると、その赤みは微かに手形になっていた。

 出勤する月曜までには引くと思うけれど、痛々しい。


「頬は大丈夫ですか? うちの両親になにも言っていなかったので、こんなことになってすみませんでした」

「いや、当然の報いだと思っている。むしろこれくらいで済んでありがたい。ご両親に説明とお詫びをしたら、許してもらえたよ」


 布施が斜め後ろに振り向いて瑞希の母を見た。

 母は失敗した時には笑ってごまかす癖がある。

 今もアハハと笑って、布施を叩いてしまったことを流そうとする。

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