エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
(気心の知れた仲とはいえ、話しすぎた。恥ずかしいな)
小堺はひと月ほど北京に出張していたため、こうして会うのは久しぶりである。
婚約指輪を受け取ってもらえなかったことは前に教えたが、瑞希に結婚を決断させるべく両親に取り入ったり職場の男を牽制したりしたことは初めて話した。
「森尾のご両親も早く入籍するよう促してくれている。海翔も懐いてくれた。それでも森尾本人が頷いてくれない。嫌われてはいないと思うが、警戒されている気がするんだ」
小堺は自動販売機に背を預け、腕組みして立っている。
布施はその向かいのベンチシートに座り、疲労した顔で独り言ちた。
「なぜだ……」
女心は難解だと困る布施を見て、小堺が肩を揺らす。
「笑うなよ」と布施は口の端を曲げた。
「悪い。布施が森尾ちゃんに拒否されてるのを想像したらおかしくて。二度目か。お前って、モテるくせに本命には逃げられるのな」
二度目とは、かつての婚約者京香を含んでいる。
古傷には触れるなという思いを込めて、布施はジロリと睨む。
「森尾には、まだ逃げられていない。考える時間が欲しいと言われただけだ」
小堺はひと月ほど北京に出張していたため、こうして会うのは久しぶりである。
婚約指輪を受け取ってもらえなかったことは前に教えたが、瑞希に結婚を決断させるべく両親に取り入ったり職場の男を牽制したりしたことは初めて話した。
「森尾のご両親も早く入籍するよう促してくれている。海翔も懐いてくれた。それでも森尾本人が頷いてくれない。嫌われてはいないと思うが、警戒されている気がするんだ」
小堺は自動販売機に背を預け、腕組みして立っている。
布施はその向かいのベンチシートに座り、疲労した顔で独り言ちた。
「なぜだ……」
女心は難解だと困る布施を見て、小堺が肩を揺らす。
「笑うなよ」と布施は口の端を曲げた。
「悪い。布施が森尾ちゃんに拒否されてるのを想像したらおかしくて。二度目か。お前って、モテるくせに本命には逃げられるのな」
二度目とは、かつての婚約者京香を含んでいる。
古傷には触れるなという思いを込めて、布施はジロリと睨む。
「森尾には、まだ逃げられていない。考える時間が欲しいと言われただけだ」