エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
『平気なふりしなくていいよ。そもそも心配しなくていい』

「え……?」


 ふたりは駅前のコーヒーショップで話をしたそうだ。

 帰ったふりしてこっそり尾行した小堺が、真後ろの席で会話を盗み聞いていたというから驚きだ。

 小堺が言うには、京香は離婚後に布施とやり直したいと交際を求めたそうだが、布施が冷たく拒否したという話であった。

「布施さんが、京香さんをふったの……?」

 驚いてしまったのは、三年前の布施を思い出したからだ。

 京香との婚約解消で傷ついた彼はボロボロで、瑞希はかなり心配した。

(戻ってきてくれたと、喜ばなかったんだ。今の布施さんには、海翔と私の方が大切?)

 瑞希の心の揺れを、真野がさらに大きくする。


『『愛する女性が他にいます。俺は彼女を諦めません。何度断られてもこの想いを貫きます』布施さんが元婚約者に、そう宣言したんだって』

「愛する女性……」

『瑞希のことだよ。ねぇ、プロポーズの返事を待たせてるんだって? どうして? 瑞希は布施さんのこと、好きじゃないの?』

「好きだよ……ずっと、何年も前から……」

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