エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
『小堺と真野さんが付き合い始めたのは聞いてるよな? 早くもプロポーズを催促されているらしいぞ』


 真野は交際前から小堺との結婚を意識していたようだが、小堺はまだ当分その気はないらしい。

 瑞希たちの結婚式に真野と揃って出席すれば、『私たちの結婚はいつにする?』と言われそうなので、出張を入れたというのが潤一の推測だ。

 その話を思い出した瑞希は、フフッと笑う。

(真野ちゃんは私よりずっと優秀な外交官。きっと将来は大使くらいまで昇進できるんじゃないかな。真野ちゃんが本気になったら、小堺さんは逃げられないよ)

 おしぼりを取りに行くのを忘れ、しばし写真の前でぼんやりしてしまう。

 すると瑞希の母がスイカの汁まみれになった海翔の顔をティッシュで拭きながら、瑞希をからかった。



「なに鼻の下伸ばしてんのよ。私の旦那様は世界一かっこいいってのぼせてるの?」

「そ、そんなんじゃないよ。幸せな結婚式だったなーと思い返していただけ」

(世界一かっこいいとは、思っているけれど)


 笑ってごまかした瑞希は、おしぼりを持って海翔の元へ戻る。

 海翔のスイカの食べ方は豪快だ。

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