エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「はい。実家からは今日、戻ってきたんです。あ、海翔が転んで膝を擦りむきました。なにかあったと言ったらそのくらいですね」

 クスッと笑って瑞希がテレビ前を見た。

 海翔はゴーゴーレンジャーのDVDに夢中で、父親の帰宅にまだ気づいていない。

「海翔!」と瑞希が呼びかけるとやっと振り向いて、満面の笑みで父親に駆け寄った。


「おとーしゃん、たらいま!」

「ん? お帰り、だろ」


 潤一が笑って海翔を抱き上げる。


「ケガしたんだって? どこで転んだんだ?」

「こりょんでない。海翔、ちゅよい」


 昨日、保育園からの帰り道で歩道の段差につまずいて転び、大泣きした。

 両膝にはまだしっかりと絆創膏が貼られているというのに、強がる海翔に瑞希は吹き出しそうになる。

 笑うのをこらえたのは、海翔がむくれるからだ。

 潤一も笑わずに、「そうだな。海翔は強いな」と認めてあげている。

「留守の間、お母さんを守ってくれてありがとう」

 そう言われた海翔は、足をばたつかせてムフフと笑い満足そうであった。

 夕食は和食尽くし。

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