エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
 日本を離れると和食が恋しくなるのは、瑞希も経験している。

 潤一のために並べたのは、刺身と筑前煮、ひじきの煮物、ほたるいかの酢味噌和えなど。

 張り切って作った料理に潤一は「うまい」と喜んでくれたが、海翔には不評であった。

 瑞希はなんとか食べさせようと交渉する。


「ひじき、ひと口だけ食べて?」

「ヤダ!」

「食べたら強くなれるよ」

「いりゃないの!」

「わかった。じゃあ、ひじきとご飯をまぜまぜして、その上にふりかけをかけよう」


 子供というのは、どうして体にいいものを食べてくれないのかと、瑞希は眉尻を下げる。

 けれども、いつもの妻子の闘いを潤一が嬉しそうに見ていた。

 一週間会えなかったのを、彼もまた寂しく思っていたようだ。

 夕食後、一時間ほどして海翔の入浴時間になる。

 着替えやバスタオルを用意して、「海翔、お風呂だよ」と瑞希が声をかけた。

 海翔はお土産にもらった飛行機のおもちゃで遊んでいた。

 その場所はソファに座った潤一の膝の上で、夕食が済んでからべったりとくっついて離れない。

 そしてここでも拒否である。


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