エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
(だよね……)


 海翔はまず、見た目から入る。

 プリンやショートケーキなど知っているものは喜んで食べるけど、ここに並んでいるスイーツはデコレーションが凝りすぎて、海翔には得体の知れないものに見えるようだ。

 料理も然りである。

 しまいには、潤一の腕から下りて瑞希のハンドバッグを引っ張り、持参のお菓子を欲しがるから瑞希は叱った。

「ここでは食べられないよ。料理を用意してくれた人が悲しむでしょ」

「うわーん」と泣き出した海翔を、瑞希が抱き上げた。

 潤一と顔を見合わせる。

 やれやれというお互いの声が聞こえてきそうで、それがおかしくて同時に笑った。

 その時、「ボンジュール」と声をかけられた。

 今はパーティー開始から一時間ほど経っている。

 招待客は二百人ほどいてあらかた挨拶し終えたかと思っていたのだが、瑞希の記憶にない顔なので後から遅れてやってきた人なのかもしれない。

 日本人の五十代後半に見える男性と、おそらくフランス人の四十代前半に見える男性の二人組だ。

 それぞれ金子、ブノワと名乗った彼らは、潤一の名をあらかじめ知っていた。

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