エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
 楽しい出来事も困ることも、そのひとコマひとコマが積み上げられて、家族の歴史となっていく。

 今日の出来事も大事に覚えていたいと、幸せな心持ちで記憶に刻んだ瑞希であった。



 夏の暑さが少し和らいだ頃、空色のワンピースに身を包んだ瑞希は、都内のフレンチレストランに来ている。

 白を基調とした海辺が似合いそうな南仏風のレストランは、広々とした庭付きで花と緑を愛でながら外で食事もできるらしい。

 瑞希の隣には、パーティー用のお洒落なスーツを着た潤一とその腕に抱かれた海翔もいる。

 今日このレストランは貸し切りで、在日本フランス経済連の元会長の誕生日パーティーに一家で招待されていた。

(海翔、早くも退屈そうな顔してる。だからおじいちゃんの家で待っていてって言ったのに、一緒に行くってきかないから)

 ビュッフェスタイルで、華やかで美味しそうな料理がテーブルにずらりと並んでいても、海翔はほとんど食べていない。

 大きな声で『これキライ』などと言い出すため、ひやひやさせられる。


「海翔、こっちにデザートがあるよ。このケーキ、美味しそうだね。なに味かな?」

「いりゃない」

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