エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
まだ丸に手足が生えただけの聞かなければなにものかわからない絵しか海翔は描けないので、三歳児から見たら下手に違いない。

先生がフォローしてくれても、傷ついた海翔は『お絵かきしない』と途中でクレヨンを投げてしまったらしい。

遊びのスケジュールは大まかに決まっている。

きっと昨日、『明日はお絵かき遊びだよ』と先生に言われたのだろう。

(二歳で明日の予定をしっかり覚えているなんて、うちの子天才!?)

親馬鹿だと言われそうだが、瑞希は喜んだ。

ふくれっ面の海翔をぎゅっと抱きしめてから、つぶらな瞳を見つめて言った。


「海翔、お絵かきっていうのはね、上手い下手じゃない。魂を込めて描いた絵が、キラキラ輝くんだよ」

「たまちい?」

「ゴーゴーレンジャーのレッドが、いつも言ってるよね。『魂を込めたこの一撃を、邪悪なお前はかわせない』って」


大好きな戦隊ヒーローの主役、レッドのキメ台詞を拝借し、瑞希は息子を説得する。

「海翔の熱い魂を画用紙にぶつけておいで。こうやっていろんな色を塗りたくって、嫌だと思う心も、邪悪連合の敵も倒しておいで。海翔は森尾レンジャーのレッドだよ!」

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