エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
立ち上がった瑞希が力強くクレヨンでお絵かきをする仕草を見せていると、海翔の顔がパッと輝いた。

飛び跳ねて剣を振るう真似をし、「お絵かきしゅる! やっちゅける!」と急にやる気になる。

すると台所から母が出てきて、片手のお玉を突き上げた。

「ばあばも戦う。今日は感謝デーだから混むのよ。レジ打ち、しんどいけど負けないわ」

つられたようにソファで新聞を広げていた父も立ち上がり、メタボなお腹を突き出すように胸を張った。

「海翔、じいじは会社で中間管理職という役目をしているんだぞ。上司と部下の板挟みの厳しい仕事だ。企業戦士のじいじも戦ってくるぞ」

「うん!」

ヒーローごっこが始まった気分で海翔は楽しそうだ。

居間を駆け回ってテンションは最高潮。

海翔が喜べば、瑞希も笑顔になれる。

「よーし、ママも戦ってくる。オールバックの黒服星人の嫌味を華麗に聞き流してみせる!」

広くはない居間の中央に家族を招集した瑞希は、みんなに片手を出させて重ね合わせた。

ゴーゴーレンジャーの真似をして、号令をかける。

「世界は私たちが守る。スーパー戦隊・森尾レンジャー、出動!」

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