エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「そうだな。海翔、また明日」

「うん。ルシアン、またね」


 手を振り別れた海翔が、瑞希に腕を絡ませる。

 小学校二年生は、まだまだ素直に甘えてくれて可愛い息子である。


「海翔、ルシアンくんと仲直りできたんだね」

「うん。お父さんとお母さんが言った通りだった。僕がペンの話をしようとしたら、『ペン? ああ、あれね。もういいよ』だって。怒ったこと忘れてたみたい。それでいつも通り一緒に遊んだんだ」

(やっぱりね……)


 パリジャンのいいところは、サッパリした性格だろう。

 前日の喧嘩を翌日まで引きずらない人が多いように思う。

 ましてや子供のルシアンだから、翌日と言わずランチを食べたらペンへの執着はすっかりなくなったというわけだ。

 瑞希はフフッと笑う。

(潤一さん、何時に帰ってくるかな。海翔が寝た後だったら私から話してあげよう。『やっぱりな』って言うと思うけど)

 抱っこ帯の中の帆香が、クリクリと丸い目で景色を見ている。

「風、涼しくて気持ちいね」と話しかけると、アブアブと可愛い声をあげてくれた。



 その翌日。

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